「けんた」のけんは宮沢賢治の賢。

集大成はいつだって必ずやってくる。

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夜景は1時間で満腹 星空はきっと見飽きない。

朝の10時から夜の10時までという卒論がヤバくて教授にテーマ変更をして頂いていた身とは思えないほど塾にいました。
今晩もいつものメンバーで夕食会。
帰りは終電で。
四条駅から乗りました。
席はそこそこすいていたので余裕を持っての着席。
するとドアが閉まりかけのときに足の悪そうなおばさんが乗ってきた。
僕の列に座っていた若者たちは各々の隙間を埋めてスペースをつくる。
僕の右隣にお婆ちゃんが「どうもありがとうねぇ」と言いながら座る。
こういうのって両方気持ちいいよなぁと終電に吹いたさわやかな風に吹かれて僕の酔いも少しさめた気がしました。

電車がちょうど烏丸御池を出発して丸太町に向かうとき、
僕がBeatlesのHere, There And Everywhereを気持ちよくきいていたら
おばちゃんがこっちを向いて何か言っている。
基本的に音量がややでかめの僕はそれが聞き取れなかったので、イヤホンをはずしておばあちゃんのか細い声に耳をすませた。

「この電車におトイレついてないんですかねぇ」

確かにおばあちゃんはそう言った。

僕は「この電車にですか?」

「はい~」

「いやぁ無いと思いますけど…たぶん駅の改札付近にあるのではないでしょうか?」

「あぁそうですかぁ~ありがとうございます」

えらい丁寧やけど変なおばあちゃんやなぁと内心思っていたら、急に何かを数えだされた。

降りる駅まで何駅か数えてるのかな…洩れそうなんだろうか…

とまること無いカウントを横目に見ていると、i-podはインキュバスのechoを選んでくれた。

そしてとうとうおばあちゃんの手はカウントダウンから脳トレに移行したそうだ。

両手でじゃんけんをしている。

よくある片方負けてもう片方に勝たせるみたいなやつだ。

いや待て・・・。

おばあちゃんの両手はエンドレスに引き分けだった。

ただの指のエクササイズやん。

心の中で思いっきり突っ込んでいる僕がいました。

こういうのって人によっては僕を不謹慎ととらえる人もおるやけど、
そのときの僕には、おばあちゃんに対して人生の折り返し地点をとうに過ぎて最終的に現れる子供らしさみたいなものを感じてついつい微笑ましく感じてしまったのだからしょうがない。
また人を小ばかにした微笑にこそ、オトナがまとう社会のアカをそぎ落とした無邪気な姿があるような気がしてならない。そしてそれは精神活動上必要不可欠であると僕は思います。

おばあちゃんのエクササイズは少しのインターバルをおいて、僕が松ヶ崎に着くまでに繰り返された。

僕は開く電車のドアに体を近づけていく途中にも背中におばあちゃんのエンドレス引き分けじゃんけんを感じていた。

ドアがあくと振り返ることなくエスカレーターへ

僕の頭の真ん中にはtakumixのラストフォーライフが知らぬ間に流れていました。

きっと夜景は1時間で満腹だけど、星空は1時間くらいでは見飽きないだろう。
これと同じなんだと思う。



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  1. 2007/11/05(月) 01:20:53|
  2. 日常
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